11人の小さなサンタ

春あさい あるひ
街が大きく 大きくゆれて
大きな波がきた
町が海になった
そして
町が消えた
みんな どこ?
せんせい どこ?
幼稚園にいた子供たち
からだはずぶぬれ、ガタガタがふるえている
先生たちは、離れ離れになったこどもたちを
屋上に集めました
一人の先生が、きゅうに教室に戻ると
かたすみにあったサンタの帽子をみつけて
たくさん抱えて戻ってきました
「さぁ この帽子をかぶって。あったかいわよ」
そういって、先生は、こどもたちに
真っ赤なサンタの帽子をかぶせました。
子供がいいます
「先生、あったかいね。この帽子をかぶっているとね、
きっとサンタさんが見つけてくれるよ」
先生がニコニコしていいました
「そうね、きっとサンタさんが
見つけてくれるね」
そして、
先生たちと11人の小さなサンタは
岸壁まで逃げました。

ぶるぶる
「先生、さむいよ」
先生がいいます
「きっとサンタさんがむかえに
くるから、それまでがんばろうね」
ぴゅーぴゅー風は冷たく、からだのしんまで
凍りそうです。
~~~ ~ ~~

サンタクロース村
ベッドで寝ていたサンタクロース
ベッドがゆらゆらゆれている
ベッドの脇に置いたメガネもカタカタゆれた
サンタは、メガネをかけると
「なにやら、ゆらゆらベッドがゆれて
いるようだ。夢かな。どーれ」
サンタは杖で、空(くう)をかき回すと、
雲の渦ができて、その渦の下に、ポッカリ日本がみえた。
ブルブル東の方が揺れている。海が盛り上がっている
サンタは、ベッドから飛び上がった
「こりゃ大変じゃ。日本がたいへんなことになっとる。
あぁ これはいかん。町が消えておる。
ああ、ああ、あの岸壁に、赤い帽子をかぶった
こどもたちが震えておる!」
サンタがそういうと、ベッドの脇にあった
ろうそくに、ふぅーと息を
ふきかけました。
ろうそくの炎がかすかにゆれて、その炎は、だんだんと
ユラユラ なみのかたちになりました。
「海の精よ、しずめておくれ」とサンタはいいました。
そして、一枚の葉っぱをその炎の上に
浮かべました
葉っぱの船は、炎の勢いで、ふわーっと、空に
飛んでいきました。
空からサンタはいいました。
「もう 大丈夫だよ。すぐに助けがいくからね
こどもが、どんよりと曇った海を見て叫びました
~~~ ~~ ~
「先生、先生 あれ、なに?」
遠くから船がやってきました。
こどもたちのほうに
むかってきます
先生も
「みんな、船よ、元気をだして
助けにきてくれたんだわ」
その船は、飛行機を乗せた船や燃料を積んだ船を
守る船でした。
大きな大きな船から
船員のおじさんと、ボートがおりてきて
子供たちを、次々と救助しました。
大きなふねの甲板
みんなを救いあげると
船員さんはいいました
「きみたちの、この赤い帽子が目印になったんだよ」
こどもたちは、真っ赤なほっぺで
いいました
「あのね、この帽子はね、サンタさんの帽子なの。
とってもあったかいよ。サンタさんが迎えにきて
くれるの」

船員さんはいいます
「実はね、サンタさんがおしえて
くれたんだよ。良い子たちが岸壁にいるってね。
遠くから、その赤い帽子が、よーく見えたよ」
子供はいいます
「ねっ、先生。やっぱりサンタさんが助けて
くれたんだね」
先生はいいます
「そうね、サンタさんが、助けてくれたのね」
そういって、こどもたちを抱きしめました。
先生は思います
「みんな大きくなったら、つらいとき、悲しいとき、
思い出してほしい。こんなに大きな
災害があったこと。
でも、みんなで、力を合わせて生きたこと
みんなが命を救ってくれたこと。
そして、どんなときでも
希望を捨ててはいけないことを。
サンタクロースは、いつでも
あなたのこころの中にいることを
忘れないで下さい」
END
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この物語は、記憶のどこかに
いき続けてほしいファンタジーです・・・

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海自護衛艦・たかなみが園児ら32人を救助
< 2011年3月14日 12:40 >
防衛省統合幕僚監部によると、海上自衛隊の護衛艦「たなかみ」が12日午後、宮城・石巻港近くの岸壁で孤立していた幼稚園児11人を含む32人を救助した。このうち不整脈やぜんそくなど医療が必要な4人を艦載ヘリコプターで病院に搬送した他、残りの28人については「たかなみ」の艦内に宿泊させ、14日午前に石巻市の専修大学のグラウンドに搬送した。救出された幼稚園児の中には、両親と連絡がつかない園児もいるという。【「日テレNEWS24」より】
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